グランフロント大阪 開業の陰に潜む小さな「犠牲」

4月26日、グランフロント大阪が開業し、客足は順調に伸びているとのこと。
 
しかし、売り上げは伸び悩んでいるとのこと。
残念ですね…これから増収につながればいいですが。
 
さて、ここまでが表面での記事になります。
 
ここからが裏面。グランフロント大阪の開業でできてしまった対応による「裏面」の犠牲です。
 
 
それはグランフロント大阪の開業から3日後のこと。4月29日の出来事でした。
この日、私は奈良線での幕バグを回収した後。ラッシュ前の新快速に乗車しました。
 
「まもなく、5番のりばに──」
といつもの放送が流れ始め、明るい到着メロディーとともに新快速が到着。
乗車してみると、案外車内はすいています。
 
乗車したのは前から3両目でした。前の車両も後ろの車両も、立ち客はドア付近に数人というレベル。当然補助いすは使用できるだろうと思い引いてみると
 
ガッ
 
補助いすは倒れません。
 
そりゃ車内が満員だというならそれでもいいですよ。
車内は満席とはいえ、とてもじゃないですが「満員」とは言えません。
 
車掌の案内は次のようなものでした。
 
「本日はグランフロント大阪による混雑が予想されますため、補助いすの使用を中止させていただきます」と。
 
なるほど。混雑が予想されるんですね。
 
ここまでは車掌のマニュアル通りなのでしょう。普通にこのまま何も起きなければこんな記事書きませんよ。
 
 
223系の中間車の座席定員はわずか56人。
普通の座席に座れるのは、1両あたりたったの56人です。
 
そこに補助いすが加われば16人分増えるのです。
…その16人分が使えれば座れたであろう、杖をついて歩いていた高齢者の方も、まったく混雑してない車両で、マニュアル通りに動いた車掌のためにその方は大阪を超えても立ちっぱなしでした。
 
さすがに大阪を超えれば使用中止も意味があるでしょう。満員になるでしょうから。
 
補助いすというのは想像してもらうとわかる通り、一度使用を許可してしまうと簡単に取り消すことができません。
なぜかというと、倒して使用するものですから、倒してる間は許可を取り消されたところで倒しっぱなしになります。
上に上がりきってしまうまで使用できる状態なので、混雑が激しくなってしまう場合があるためです。
 
…と思いきや、なんと大阪を発車するときも車内はそれほど満員というほど混雑してないのです。
 
 
ためしに尼崎まで乗ってみました。尼崎からは多少の混雑がありましたが、ぜんぜん座り込む人もいるほど余裕があるほど。それでも車掌は補助いすの使用を中止すると。
 
車掌にはそりゃ、車掌室から8両も9両も向こうの車掌の混雑まで見てないでしょう。
しかし、そういった影の犠牲も出てることを知ってほしいですね。
 
さすがに「補充券で隣駅までの切符を販売しろ」というような客に対してはマニュアル通りに「発売できません」でいいでしょう。
しかし補助いすというのは、車掌の判断次第で使用可能にできたはずなんですけどね…
 
そこまでマニュアル通りでなければならなかったんでしょうか…
 
さすがに尼崎を超えると、目立った混雑というのは三ノ宮まででそこからは空席さえ目立つようになることもあります。
尼崎でも丁寧に使用中止に関して案内はしていましたが…
 
もうすこしJR西日本には、そういった車掌にしか、駅員にしかできない「心遣い」をしてほしいところです。
 
 
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